お彼岸の季節になると道端や田んぼの所に咲きまくってる彼岸花。
燃えるような真っ赤な色に独特の花の形がなんとも美しいですよね。
思わず摘んで持ち帰って家に飾りたくなりますが、彼岸花は毒がある事でも有名。
その毒があるといっても彼岸花のどこの部分に毒があるのか?
持ち帰って家に飾ってはダメなのか?
疑問に迫りたいと思います!
彼岸花の毒は触ると危ないの?
彼岸花の毒は、花・茎・葉・球根・根と花全体にあります。
フェナントリジン誘導アルカロイドという有毒な成分を含んでいて、
特に球根に多く含まれている“リコリン” という成分が毒になります。
彼岸花の球根部分の事を鱗茎(りんけい)と言いますが、鱗茎の外側の部分に特に多く毒が含まれています。
鱗茎とは?
地下に伸びた短い茎に、肥大した葉(鱗葉)が何層にも重なりあった状態のもの。
私たちがよく食べているタマネギ・ニンニク・らっきょうなどもそうです。
球根にもいろんな種類があるのですね~。
球根と茎を切ったときなどに出てくる草汁に注意しておけば彼岸花は恐れる事はありません。
彼岸花を触った時に球根を直接触ったり、草汁が手についてしまっても水できちんと洗い流せば大丈夫です。
ただし、皮膚の弱い方などでは、球根や草汁に触れただけで皮膚炎を起こす事がありますので、肌の弱い方は、直接肌に触れないようにするなどの対策を行って下さいね。
彼岸花以外でも私たちの生活に身近にある植物には毒のあるやつって他にも沢山あります。
水仙・ユリ・ヒヤシンス・チューリップ・すずらん・アネモネ・カラーetc
筆者が昔働いていた花屋のスタッフの中では、
ヒヤシンスの球根を触っただけで全身の肌が痒くてたまらなくなるという方もいました。
球根植物は特に毒が多い印象です。
彼岸花を扱う時に注意する点
球根部分を口に入れると消化器系の症状が出てきます。
彼岸花の毒性で重篤な症状は稀のようですが、
・少量(2~3g)の場合
約30分ほどの短い潜伏期間の後に、悪心・嘔吐・下痢・発汗などの症状。
・大量の服用の場合
神経麻痺の可能性があります。
大概は最初に嘔吐するので、消化器系の症状で済みますが、
症状が重い場合は神経麻痺の可能性があります。
小さいお子様や犬や猫などのペットがいる場合に気を付けるべきこと
彼岸花を持ち帰って花瓶に生けたその水には、彼岸花の毒成分が茎の切り口から流出し溶け込んでいます。
お子さんやペットが誤ってその水を飲んだりすることがないように気をつけて下さい。
子供や犬や猫は体が小さいですし、犬や猫の場合は毒性を分解できずに重篤な中毒症状になる可能性があります。
特に猫ちゃんの場合は、色んなものに興味を示しますし、高いところでもどんなところでもお構いなしにヒョイっと飛び乗りすよね。
植物には特に興味津々になる傾向があるので、花をカミカミしたり花瓶の中の水を飲んでしまう可能性大です。
ユリを活けていた花瓶の中の水を飼い猫が飲んでしまったり、葉っぱを噛んで口にしまった猫ちゃんが中毒症状で亡くなってしまった例もあります。
猫ちゃんがいるご家庭では、彼岸花は特に要注意です!!
彼岸花を飾るのは大丈夫?
道端に綺麗に咲いている彼岸花を見ると、摘んで持って帰りたくなりますよね。
彼岸花は切り花にして家に飾ってもさしつかえ有りません。
が、彼岸花と言えばいろいろな悪い噂があって嫌われていたりしますよね。
彼岸花は別名「火炎花」「死人花」「地獄花」「幽霊花」という名前もあります。
“家にあると火事になる”
“彼岸花を見ると不幸になる”etc
すごく不吉な事が言われますよね。
しかしこのいわれは迷信でありその理由としては、
・田んぼを荒らすネズミやモグラ対策になる彼岸花を勝手に摘み取らないようにするため
・花自体に毒性があるため子供達が軽々しく触らないため
・赤く火が燃えて見えるような色をしている事から火事を連想させる為根拠はないのに勝手に言われるようになった などなど。
そして彼岸花は昔、飢饉が起こった時に人々の食料ともなっていました。
万一の時の非常食であったため、「非常食に手を行けてはいけない」という意味でよくない話を広めたという説もあります。
花屋では彼岸花にとても似たリコリス(ヒガンバナ科リコリス属)という黄色い切り花も売られていて、筆者も花屋で働いていた時は花束やアレンジメントにリコリスを使っていましたし。
園芸店ではヒガンバナの球根も販売されており、自宅の庭やベランダで栽培を楽しんでいる人もいるくらいです。
彼岸花=縁起が悪いというのは全くの迷信なので、家に彼岸花を飾っても問題ありません。
まとめ
彼岸花は花全体に毒がありますが、球根を口にして食べない限りは触った後に手を洗えば大丈夫です。
筆者も花屋で働いていた時は、リコリスや他の毒のある花を沢山触っていましたが体に異常が出たことはありません。
不吉な迷信がありますが、昔の人たちが彼岸花を簡単に触らせないようにするために広めた迷信と考えていいでしょう。
真っ赤な彼岸花を自宅でも楽しめたら気分上がりますよね。
ただし、小さいお子さんやペットのいるご家庭の場合は、彼岸花を飾る際は手の届かないところに置いたりして工夫されて下さいね。