昔からスイカに塩をつけて食べる食べ方がありますよね。
塩をつけると甘く感じるからつける人が多いと思いますが、
なぜしょっぱい塩をつけると逆に甘くなるのか不思議に思いませんか?
しかもこんな食べ方をいつから発見していたのかも素朴な疑問の一つです。
今回はこの謎に迫っていきたいと思います。
スイカに塩はなぜ甘いの?
なぜスイカに塩をつけると甘く感じるのでしょか?
これは”味の対比効果”の為だと考えられます。
対比効果とは…
味覚を刺激する二つの味(甘いとしょっぱいなど…)がある場合に、片方の味が他方の味の強さを強めることを言います。
塩のしょっぱさによって、スイカの甘みの元である糖やブドウ糖の甘みが引き立ち、
本来持っている甘さよりもより甘味が強く感じられるようです。
対比効果を利用した他の例では、おしるこの仕上げに塩をひとつまみ程入れたり、
又、塩以外では、ワサビやカラシに砂糖をひとつまみ入れたりする場合もあります。
料理をしていると、いろんなレシピに「塩少々」と書かれていますが、塩を入れなかったら料理全体の味がぼんやりした感じだったり、まとまりがなかったりしますよね。
塩はいろんな味を引き立たせるためによく使われており、味覚に奥行きを持たせ絶妙な味に仕立ててくれる影の立役者的存在なのです。
スイカに塩をつけるのはいつから
スイカが日本に入ってきたのは室町時代以降とされおり、
全国に広まるようになったのは江戸時代の後期になってからだそうです。
詳しい事はよくわかっていないそうですが、今のようにみんなが当たり前のようにスイカを食べれるようになったのは、
歴史上から見ると比較的最近のことなんですね。
スイカに塩をつけて食べるようになったのは、江戸時代とされています。
茶人・千利休さんが、訪問先で出されたスイカに砂糖がかけられていた事に対して、
「砂糖をかけてしまったらスイカの味が引き立たない。むしろ、ほんのひとつまみの
塩をかけて食べた方が甘みが引き立つ」と言った事が江戸時代の文献などには残っているようです。
これが始まりで、時代と共にスイカには塩が定着してきたのだと考えられます。
今のスイカは品種改良が重ねられ、なにも付けなくても十分甘いですが、
昔食べられていたスイカは原種に近く甘さも少なかったよう。
だから昔の人たちは、スイカに何かつけて食べることが多かったのだと思います。
漢方ではスイカは薬としても使われていますし、昔の人たちはスイカを薬代わりとしても用いていたともいいます。
また、スイカのシーズンである夏場は熱中症にも気を付けないといけません。
スイカは沢山の水分・糖分・ミネラルが含まれていますが、唯一欠けているのが塩分。
農作業などで汗をかいてしまい体の水分や塩分が奪われていくのを、
スイカに塩をかけて食べることで、水分も塩分も両方補給する意味もあったのだといいます。
とっても理にかなっている、昔の人の知恵ですね。
スイカに塩って日本だけ?
海外ではスイカに塩をつけて食べることがあるのか?
こんな食べ方をするのは日本だけのような気もしますが、実は日本だけではありませんでした。
台湾、アメリカ ジョージア州、メキシコ、ベトナム、南ヨーロッパ、インド
他にももっとあるかもしれませんが、これだけの国でスイカ+塩という食べ方だされています。
しかもかけるのは塩だけじゃありませんでした…!
・メキシコでは、チリやレモン
とにかくフルーツ類にはチリをよくかけて食べるようです
・インドではコショウ
・トルコやギリシャなど何か国かではチーズ
などなど…。
ちょっと考えにくい組み合わせって思ってしまいましたが、どれも塩気があったり辛い物をかけていますね。
この中だとレモンをかけて食べるのは塩をかけるよりも美味しい模様。
筆者もこの夏試してみようと思っています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
スイカに塩をかけて食べるのは、味の対比効果で甘く感じるようしするため。
また、夏場の熱中症対策も兼ねていることがわかりました。
海外では塩以外でもチリパウダーやレモンなどをかけて食べる文化もあるようで、
やはり昔のスイカは今の赤いスイカのように味がなかったのだろうということが伺いしれました!
筆者もこの夏スイカにいろんなものをかけて食べてみたいと思います。