災害大国の日本は、いつ自分の家や所有物が破損してもおかしくないリスクがあります。
特に2018年は天災の年で、とても勢力の強い大型台風が日本列島を襲いました。
猛烈な風で飛ばされた飛来物が車にぶつかったり落ちてきて、車のフロントガラスが割れたり、ボンネットが凹んだりと愛車を破損された方も多いと思います。
天災とはいえ破損原因となった対象物・建物・土地の所有者がわかっている時は、その相手に対して責任を問うことは出来るのか気になりますよね。
台風のような天災の場合は一体どうなるのでしょうか。
今回はここらへんについてお話ししていこうと思います。
台風で車破損した責任は相手に問える?
車が受ける被害は車同士や、車と人の事故だけではなく、天災も入ります。
2018年は関西圏で起こった猛烈な台風21号による影響で、駐車場に停めてあった車が次々に飛ばされた行ったり横転したり、隣の建物のトタン屋根が飛んできて車の上に落ちたり、天災による凄まじい被害はあちこちで起こりました。
また、いつ同じクラスの台風が襲ってくるかもわかりませんよね。
台風の凄まじい風で飛ばされた飛来物のせいで大切な愛車が傷ついてしまった時、車の破損の原因となった飛来物の所有者、または責任者が明らかにわかる場合に、その相手に賠償責任を問えないものか!?と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
例えば、マンションの管理組合だとか、そこの建物の所有者だとか、駐車場の管理会社だとか、管理者や所有者に対して、車の修理代を請求できないか?というところなんですが…
結論からすると、賠償責任を問うのはなかなか難しいところです。
天災による被害は予想もつかない猛烈な雨風によるもので不可抗力とされ、免責となることが多いです。
が、
天災だから免責だとされるケースも多いですが
こういう時は工作物責任の追及ができるかできないか?であり、場合によっては請求できることもあります。
民法では民法717条により
第717条【土地の工作物等の占有者及び所有者の責任】
1. 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
2. 前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。
3. 前2項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。
(出典:WIKIBOOKS→https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%B0%91%E6%B3%95%E7%AC%AC717%E6%9D%A1)
このように制定されています。
工作物の所有者に対して工作物責任を追求することができますが、工作物責任はその対象物の危険防止措置に過失があることが条件となっています。
工作物の設置や保存に瑕疵があり(本来有しているべき安全性の管理を怠っており)他者に対して損害が生じた場合には、その工作物の占有者、または所有者が賠償責任を負うということもあります。
台風が来る前から看板のボルトがゆるんでいたとかぐらついていたとか、所有者又は占有者がそれに気づいていたのに放置していた場合は、安全性を欠いていたと瑕疵が認められ請求できるケースもあったりします。
過去に判例もあったりするので、どうしても納得できない場合は、弁護士さんに相談してみるのもいいと思います。
台風で車破損は保険適用になる?
天災による被害で自分の車が破損してしまった場合。
車両保険に入っていれば、台風による風害でも水害でも保険は支払われます。
風で飛ばされた瓦やトタン屋根がぶつかって車が傷ついた場合でも対象です。
※台風とされるのは、最大風速が17.2 メートル以上の風が観測されれば台風とされます。
ご自分が入られている自動車保険の保険証券を確認して下さい。
ただし、車両保険に入っていなければ保険金は出ないので注意です…!
また、保険会社の商品によっては台風などの自然災害による被害は対象外となる商品もあるので、保険会社に確認してみてください。
どのくらいの保証額がでるのかは損害状況によって違います。
免責設定をしている場合に車を修理したら、修理費用のうち免責金額分は自腹で支払わないといけなくなり「修理費用-免責金額」の差額金額が車両保険で補償されることになります。
全損となった場合は免責金額は支払わずに済みます。
台風で車両保険使うと等級ダウン?
車両保険には等級がありますよね。
車の事故で車両保険を使うと等級が下がってしまい翌年からの保険料がアップしてしまいますが、残念ながら台風による被害で車両保険を使用した場合でも等級は下がってしまいます。
自然災害の場合、下がる等級は1等級で、保険料が上がるのは一年間のみ。
保険を使わずに自己負担で修理代が出せそうな場合は、上がる保険料とよく見比べてみて、どちらの方が得か損か考えてから車両保険を使うか使わないか決めたほうが賢いですよ。
保険会社に相談するだけでは等級に影響はないので、一度相談してみるのも良いと思います。
まとめ
台風による天災で愛車が傷ついてしまった場合、責任は問えるのか?車両保険は使えるのか?についてご紹介しました。
天災による被害は免責となることも多く、そう認知している方も多いですが、所有者や占有者に明らかに瑕疵がある場合はその限りではありませんので、ご自分のケースはどうなんだろうか?と納得できない場合は、弁護士さんに相談されてみるのがおすすめです。
天災による車の修理費については車両保険が使えるケースがほとんどです。一度保険会社に問い合わせてみてください。
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