水分がたっぷり含まれていて、暑い夏の季節に食べるととっても美味しいスイカ。
スイカといえば種が邪魔して少々食べにくいものです。
取り除くようにして食べていても、取れなかった種をガリっと思わず食べてしまったり、
種なんか関係なく種ごとムシャムシャと食べてしまう人もいます。
たいていの果物や野菜を食べるときって種を取ってから調理したり食べることが多いですが、
スイカの場合は種は食べても問題ないのでしょうか?
スイカの種は食べても大丈夫?
子供の頃などに、「スイカの種を食べたらお腹の中で芽が出てくるよ」や「盲腸炎になるよ」なんてことを言われた人もいるかもしれません。
筆者は小さい頃に「スイカの種を食べるとお腹の中で種が育つんだよ」と言われた事を間に受けていた時期がありました。
■スイカの種を食べてしまった時の体への影響
スイカの種を食べても体に害はありません。
種は固くて頑丈で、食べてもほとんど消化されずに出てきます。
元々、植物の種は鳥や動物に食べられ、排せつ物と共に体外から排出され、
別の土地に種を広げてもらい繁殖していくことが目的。
このため、人間の体でも消化はされずにそのまま排出されていきます。
仮に消化されたとしても脂肪分とたんぱく質でできているので心配もいりません。
それに、24時間以内には体の中で消化されてしまうので、筆者が信じていた『お腹の中で発芽する』ということもないのです(笑)
欧米人ではスイカを食べるときは種もお構いなく丸ごと食べてしまうようですし、
中にはスイカの種だけ別にして食べる文化の国もあって、中国やミャンマーなどのアジア諸国やアフリカでは、一晩濃い塩水に漬けて天日干しにしたり、炒って中身だけ食べたりするようです。
どうやらすごく癖になる味をしているようで、ポリポリ食べてしまうのだとか…。
”甘草瓜子”という名前で売られていますので、興味のある方は是非!
スイカの種に栄養素はあるのか
わざわざスイカの種を食べる国があるほどですが、スイカの種にはなにか栄養素が含まれているのか?
謎なところですよね。
■スイカの種に含まれる栄養素
・たんぱく質・脂質・食物繊維
・ビタミンB6・葉酸・カリウム
・マグネシウム
・リン・鉄・亜鉛・銅・マンガン
こんな栄養素が豊富に含まれています。
これらの栄養素たちは、
精神を沈める、血圧を下げる、便秘を緩和してくれる、利尿作用がある、
むくみを取ってくれる…などの働きがあるとされています。
漢方では強壮、止血、のどの痛みなどに効果のある薬として使われてもいます。
今まで捨てていたのがもったいないくらいに、実は栄養満点なんですね。
種以外では、皮の部分もコレステロール値を下げたり、血管を拡張させたりする効果が期待できるとされています。
実はスイカは捨てるところがないくらいのパワーフードです。
スイカの種を食べると盲腸になるというのは本当?
「スイカの種を食べると盲腸になるよ」と聞いたことありませんか?
■本当に盲腸になるの?
スイカの種は、盲腸(虫垂炎)の原因にはならないと考えられています。
盲腸は、虫垂部分が何らかの影響を受けて炎症&発症を起こします。
また虫垂に食べ物が入り込むことで引き起こされる場合もありますが、
虫垂の入口は1㎜~2㎜と大変細くて、約1センチほどの大きさであるスイカの種は入り込むことはできないと考えられます。
■なぜ盲腸になると言うのか?
盲腸患者の盲腸に、手術によって切除した虫垂の中から、スイカの種のような黒い塊があって
「スイカの食べが入り込んだために盲腸を引き起こした」と誤解を招いたようです。
スイカの種は消化が悪く、小腸と大腸の接合部の腸の曲がり角にある虫垂に落ちるからとも言われていました。
さらに夏場は細菌が繁殖しやすく盲腸の発祥率が上がるために、スイカの種との因果関係が疑われていたのではないかと思います。
盲腸になるというのはどうやら迷信のようです。
スイカの種は消化が悪く、食べすぎてしまうと胃腸に負担がかかりお腹が痛くなる場合があって、まだ体が小さい子供がスイカの種を食べると消化不良のため負担がかかり腹痛を起こすから、未然に防ぐためスイカの種は食べないようにとする昔の人の教えもあったのだと思います。
まとめ
いかがでしょうか。
体には無害なスイカの種。むしろ栄養素が豊富で体に良い物でした。
そのまま種を食べても消化されずに排出されるだけですが、
きちんとした食べ方をすれば体にとって非常に良い働きをしてくれます。
種を食べても盲腸になる心配もないので、スイカを食べるときは種もまるごと一緒に食べても問題ありません。