夏になって蚊が沢山出てくる季節になると、蚊の標的は人間だけではありません。
哺乳類である、猫にも襲いかかっていきます。
でも猫って肉球や耳などの一部を除いては毛でおおわれているし、
蚊に刺されるの?と疑問に思ってしまいます。
しかも、蚊はいろんな病気を媒介することが知られていますが、
もし猫がさされてしまった場合、どんな危険性を含んでいるのでしょうか。
猫は蚊に刺される?
全身を毛で覆われている猫。
蚊が体に止まっても、身体を震わせて払い除けてますが、それでも蚊に刺されることは稀にあるようです。
蚊に刺されることで怖い事は、フィラリア症の危険性です。
犬の飼い主さんの間ではとてもポピュラーな感染症。
犬糸状虫と呼ばれる線虫類のフィラリアが蚊に刺されることによって体内に入り込み、
このフィラリアが心臓に寄生して増殖していきます。
本来フィラリアは犬の体に住む虫で、
猫は免疫力が強く、猫の体内ではフィラリアが成長しにくいので、
フィラリアに感染することはほとんどないと言えるそうですが、
中には運悪く感染してしまう猫もいるようです。
猫がフィラリア症になった場合は、重篤になってしまうケースが多く、
呼吸器・循環器系に影響を及ぼしたり、
心臓だけではなく神経系に感染することもあるそう。
最悪の場合だと死亡してしまう事もあります。
このフィラリア症を防ぐための猫用の予防薬もありますが、
獣医師さんによって、猫に予防措置は必要ないという方と、
していたほうがいいという方と賛否両論あります。
完全室内飼いの猫ちゃんの場合は、きちんと蚊対策をしてあげたら、
感染することはほぼないと思っても良いでしょう。
外飼いの猫ちゃんの場合、外で蚊と遭遇する機会が多いと思います。
フィラリア症が心配な場合は、この後にご紹介する蚊よけ対策などをやってみてくださいね。
猫に蚊取り線香は安全なのか
蚊よけ対策で、まず最初に頭に浮かんでくるものの一つ「蚊取り線香」
蚊取り線香といえば、あの独特の匂いと煙ですが、
猫の体に害はないとされています。
蚊取り線香は蚊に効く成分に「ピレスロイド系」の薬剤が使われており、
昆虫の神経にダメージを与える薬です。
これは昆虫や熱帯魚など体温調整の出来ない動物にとっては毒になる物質です。
哺乳類など体温を調整できる生き物は体内の酵素で分解することができるので、
赤ちゃんはもちろん、犬や猫などのペットを飼っている場合であっても問題なく使えます。
ただし使用方法はきちんと守ったうえでのこと。
締め切った部屋ではなるべく使わない、換気はきちんとするなど、
パッケージに表記されてる使い方をきちんと守ってくださいね。
体に害はないとされていますが、
稀に、蚊取り線香の煙でアレルギーを起こす猫ちゃんもいます。
猫ちゃんの様子も見ながら使ってください。
薬剤で出来た蚊取り線香では安全面が気になる方は、
昔ながらの除虫菊を使った天然成分100%のペット用蚊取り線香もあります。
こちらは、蚊を殺すのではなく、
除虫菊の成分である天然成分ピレトリンが蚊を寄せ付けないようにするだけのものになります。
化学薬品系の蚊取り線香特有の嫌な煙たさもなく、嗅覚の優れている猫にも優しいです。
猫の蚊よけ対策で有効な方法
蚊取り線香以外に、猫ちゃんにも使える蚊よけグッズをご紹介します。
・ワンプッシュで蚊がいなくなるスプレー類
近年出てきた、プシュ!と一吹きで蚊をやっつけることができるこの類の商品も、
成分は「ピレスロイド系」の薬剤です。
蚊取り線香を使うのと蚊をやっつける原理としては変わりません。
が!
使うときは薬剤が猫ちゃんにかからないように、別の部屋に移動させてあげた方が安全かと思われます。
・蚊よけスプレー網戸用
網戸越しに蚊に刺されてしまう猫さんもいるようです。
網戸に直接スプレーして、蚊を窓辺に寄せ付けないようにするタイプのスプレーも効果ありです。
・蚊よけ効果のある首輪
首輪でノミや蚊などを近寄らせない効果のある首輪が販売されています。
お外に遊びにいく猫ちゃんにおすすめです。
・ペット用の虫よけスプレー
ホームセンターやペットショップなどで売られています。
注意しておきたいのは、アロマなどの精油が使われているものは避けましょう。
猫は精油を分解できないので、中毒を起こす危険性があります。
使われている成分がハーブ系なら問題ないとされています。
ハーブ系虫よけスプレーでおすすめなのが、
“ニーム”というハーブを使っている虫よけスプレー。
この”ニーム“というハーブは、人間や猫には無害とされており、インドでは数千年も昔から人々に使われていて、害虫に対して非常に効果があるとされており、蚊の他にもノミやダニ除けの効果も発揮してくれます。
いろんなメーカーからニームを使った商品が沢山出ていますし、ニームオイルを購入して精製水と混ぜて手作り虫よけスプレーも作れます。
購入する場合は、農薬分析結果をきちんと公表している企業から買ったほうが安全でしょう。
まとめ
猫も蚊に刺されることがあります。
ほとんどの場合心配ないかと思われますが、
稀にフィラリア症になってしまう猫もいるので、
やはり蚊に刺されないように対策はしてあげた方が良いでしょう。
お外に出ていく猫ちゃんには、虫よけスプレーや首輪を試してみてくださいね。