日暮れも早くなる冬に突入すると、空気が澄んで夜空に輝く星が綺麗に見えますよね。
天体観測を楽しんでいると「あれ?あの星って夏の大三角?」と、冬の空でも夏の大三角の星デネブ・アルタイル・ベガを発見することがあります。
どうして冬でも夏の大三角がみえるんでしょうか?
そもそも夏の大三角って何月まで見れるものなんでしょうか?
[toc]夏の大三角は冬に見える?
学生の時に「夏の大三角」「冬の大三角」って習いましたよね。
夏の大三角の名前通り夏の間だけしか見れないと思いがちですが、夏だけではなく一年中観測できるので冬でも夜空にその輝きを確認することができます。
東・西・北が開けた場所だったら1年間のうちほとんどの期間において観測することできます。
いつから夏の大三角という名前が付いた?
海外では、1920年代に天文学者オスヴァルト・トーマスが「大きな三角形」と記述し、1934年には「夏の大三角」と記述していたようです。
その後1950年代に、イギリスの天文普及家サー・パトリック・ムーアが「夏の大三角」の呼称を使うようになり、それ以後一般的にも広く使われるようになったんだそうです。
日本では誰が「夏の大三角」と呼び始めたのかは明らかになっていない模様ですが、英文学者の野尻抱影氏が1947年の本で「夏の大三角」という呼び名を使っていたようです。
学校の教科書で「夏の大三角」という呼び方が使われたのは1983年発行の教科書からで、以後多くの教科書で採用されるようになったんだそうです。
最初は「夏の」じゃなくて、ただの「良く目につく大三角」と言われていたようですね。
夏の大三角って何月まで見られる?
夏の大三角は一年を通して見れますが、一番観測しやすい時期が7月~8月頃。
12月頃まではまだまだ観測しやすい時間と位置にあります。
なぜ一年間を通して冬でも見えるのか?というと、「冬の大三角」と比べると、夏の大三角のこと座などは北極星に近いかなり北寄りの位置にあるので見えている期間が長いのです。
夏の大三角のうちの一つ「白鳥座(デネブ)」は、クリスマスの頃まで観測しやすい位置にあります。
12月頃だと、夕方から明け方にかけて西の空地平線近くに沈んでいきます。
このころの白鳥座は、羽を広げた白鳥が首を下にして見えるので、夜空にはまるで十字架が浮かんでいるように見えます。
また12月の20時頃だと夏の大三角と冬の大三角の2つが同時に地平線状に観測できます。
地平線近くなので、建物が多く立ち並んでいるようなところで見るのはかなり厳しいですが…。
12月後半20時頃の空には、
<夏の大三角>
西の地平線近くにはアルタイル
北西の地平線近くにはベガ
北西の若干高い所にデネブ
<冬の大三角>
東の地平線近くにプロキオン
南東の地平線近くにシリウス
南東の若干高いところにベテルギウス
上記のように空に浮かんでいるのが確認できます。
反対に南の空に浮かぶ星座は、日本が北半球に位置しているため季節が進むと観測しづらく、さそり座やいて座などの星座は季節ごとに見られなくなってしまいます。
夏の大三角形11月の場合はどの方角?
11月の場合だったら夏の大三角は何時にどの方角に見えるのでしょうか?
例えば11月16日20:00には西の空の地平線近くの低い位置に見えます。
左下にアルタイル、右下にはベガ、一番上にはデネブ という形になります。
きれいな星空を観測するための条件として、『湿度が低い』『空気が澄んでいる』『街の明かりがない』『月の明かりがない』事がありますが、冬は湿度も低いし空気も澄んでいるので天体観測には適しています。
夏よりも綺麗に見えるので、是非冬にも夏の大三角を観測してみてください。
この星座早見表のアプリを使えば、現在見えている星座の位置もわかるし、日時時間を指定してその時に見える星座を知ることもできます。
筆者も使っていますが面白いし、勉強になるしかなりおすすめなので良ければ是非使ってみてくださいね。
さいごに
夏の大三角は「夏」と付いていますが、北に位置するため実は一年を通して観測する事が可能です。
観測しやすい時間帯に見えるのは12月頃まで。
夕方ごろから明け方までの間、西の空の地平線近くを眺めてみてくださいね。