沢山の綺麗なお花や植物達に囲まれながら働くことができる花屋さん。
少しでもお花が好きな方なら、一度は働いてみたいなと思う方も多いのではないでしょうか?
筆者の私も「花が好き!」という単純な動機で経験もないまま花屋に飛び込んでいった過去があります。
バイト募集の電話をする前は『花屋ってきついってよく聞くけどどんな感じなんだろう…』とビビってたので、毎日暇があったらネットでいろんな情報を仕入れていました(笑)
「どんだけチキンハートなんだよ」なんてツッコミはさておき。
今回は、未経験の私が実際に花屋で数年働いて経験してわかった“花屋のきつい部分” “メリット&デメリット”をご紹介していきます。
[toc]花屋バイトはきついのか?経験した私の感想
一口に”花屋”と言っても扱ってる範囲や業務にそれぞれ違いがあります!
店頭販売
街でよく目にする花屋さん。
主に切り花、店舗によっては観葉植物や花鉢&花苗など幅広く扱っています。
葬祭
斎場やお葬式などの葬儀用のお花を専門に扱います。
ホテル内や会場で行う結婚式など、主に婚礼の花を専門に扱うところ
挙式会場と提携しており、式で使う花束やアレンジメントを作ったりします。
ホテルの中に入ってる花屋さんなど。
園芸店
切り花は扱っておらず、鉢&苗の販売がメイン。
ガーデニングをしている方がよく行かれるところですね。
私が働いていたのは店頭販売の花屋。
4店舗ほど経験しました。(このうちの2店舗は「なんか違う…」と思って見切りつけて早めに辞めましたけど…汗)
なので私がこれから紹介するのは街中にある普通の花屋での経験談となります!
花屋バイトがきついと感じた部分は
当たり前の事ですが、お花の知識を習得するまでが大変でした。
私の場合、本当に真っ白な未経験の状態で花屋で働き始めました。
花に関する知識が全くなかったので、最初に覚える事の量が多く、習得して身に着けるまでが本当に大変でした。
勤めいたお店で扱っていたものは、切り花・鉢花・苗・観葉植物・プリザーブドフラワー。
たいていの花屋は、こんな感じのラインナップを揃えているでしょう。
私は、プリザーブドフラワーに関しては過去に少し習っていたので多少の知識はありましたが、それ以外は見事に、な―――――――――ーんにも知りません\(^o^)/
生花・観葉植物・苗・花鉢の名前を覚える、扱い方や育て方を覚えるなど、最初に覚える事は盛りだくさんです。
忙しい花屋の場合は、日々の作業に追われながらも同時に学んでいかなければいけないので、最初は頭も体もパンクしそうになります。
ゆったりとしている花屋だったらまだマシですが、それでも最初は頭パンク状態になると思います。
街の花屋さんでも、お店の立地条件や来客数によってどれだけ忙しいのかが本当に全く違います。
私が働いた花屋は駅前という好条件の場所にあり来客数も多く、週末にもなればピアノの発表会の花束の注文が殺到したり、夕方以降になれば飲み屋のお姉ちゃんに豪華なアレンジメントや胡蝶蘭を配達したりなど一日があっという間に過ぎる事が多かったです。
自分は何も知らない状態でも、お客さんからすると私は当然お花のプロとして見られており”花屋の店員さんだから知っている”と思われるので、次から次へと質問されたり、花束やアレンジメントを頼まれても、まずどういう流れで注文を受けたらいいのかさえもわからず…軽くパニック!
一人お祭り状態になったりもしました。
疑問があれば先輩に聞いたり、育て方や切り花の種類が載っている本を読んで頭にインプットしていきながら、お客さんに説明したり自分で花を扱っているうちに(アウトプットですね)自分の頭や体に徐々に定着してくるので、これは経験しながら鍛えるしかありません。
次にしんどかったな~と思うのが、花束やアレンジメントをうまく作れるようになれるまでが大変でした。
〇花の色や形の組み合わせ方
「この花と合わせるんだったらどれがいいのかわからん…」とか
〇花の組み方
「上手くスパイラルで組めないよ~(´;ω;`)何回もやり直してたら花が弱ってきたよー…」とか
〇アレンジメントの作り方
「綺麗に丸い形にできないんですけど…」「あ。花茎短く切りすぎちゃった…」とか
〇ラッピングの仕方
「フワッと巻きたいのにできないぞ…嗚呼…やり直してたらペーパーがしわくちゃになってしまった…」とか
花束やアレンジメントを作るためには上記のことを習得しなければいけません。
技術面でも習得する事が盛りだくさん。
幸い私が勤めたお店では先輩方が皆優しく、花束やアレンジメントの作り方を教えてくれましたが、全ての花屋がそうとは限りません。
中にはきちんと教えてくれず、先輩のやり方を見て覚えろ!というような体育会系な花屋さんもあるようです。
そういう花屋に当たると、しんどいかもしれません…(;’∀’)
どんな仕事でも慣れるまで大変なのは仕方ないことなので、最初の2~3か月は頑張り時です。
花の知識や技術面以外だと、レジの打ち方やレジ閉めも覚えなければいけません。
私は慣れるまでの間、ミスして打つことも結構ありました(;’∀’)
お会計の時にレジ処理の仕方がわからなくてお客さんを待たせてしまうと、地味に焦る場面の一つでもありますw
花屋バイトのここがデメリットだった
先の章ではきつかったところをあげましたが、続いては花屋で働くにあたってのデメリットをあげていきますー!
●給料が低い
花屋は時給が低いです。
お店によっては残業代をきちんと払ってくれないところも…。
私が勤めた一店舗目は残業代を出してくれませんでした。
都道府県やお店によって時給の違いはありますが、花屋は時給が高めの職種とは言えないでしょう。
ブライダルや葬儀の花屋さんは、仕事がきつい分給料はそれなりにあります。
●母の日は猛烈に忙しくなる
母の日の花屋はそれはもうしっちゃかめっちゃか。
店内もお客さんでいっぱいになり、何が何だかわからん状態になります。
大体、母の日の1か月前からポツポツとご注文が入りだし
1~2週間前となると準備+接客で「さぁ…母の日がいよいよやって来るぞ」と心の準備
お店によっては準備の為に終電までかかることろもあったり。
母の日当日は朝から晩までものすごい忙しくなるので「もう好きにして\(^o^)/あはははー」と半分魂が抜けかかるような、ある意味お祭り状態になります。
スタッフ間の連携プレー重要だわ…と再確認する日です。
●盆・彼岸・年末年始も忙しい(ついでにクリスマスも)
母の日までとはいきませんが、盆・彼岸も忙しいです。
仏花や墓花がバンバン売れていきます。
お彼岸は春と秋の年2回ありますが、春彼岸の3月は卒業&送別会シーズンでもあるので3月も結構忙しい。
年末年始は、お正月用のお花が沢山売れます。
クリスマス~年末年始の間は、店内を可愛くオシャレにディスプレイしているような花屋だと行事ごとにディスプレイを変えていくため、25日のクリスマスが終わったら即効でお正月ディスプレイに変えなきゃいけない為、25日の夜は営業後に店内のディスプレイ替えで忙しくなることもあります。
●寒い冬は水替えの時に手が凍るほど冷たい…
花屋の宿命といっても過言ではない。
花瓶やバケツの水替え作業、暑い季節は気持ちいいですが冬は手がかじかんで真っ赤になりました。
手も乾燥するので、ハンドクリームは必需品。
●路面店の場合、夏は暑く・冬は激寒
路面店で入り口が大きく開いており、外気にさらされるような作りの所は、夏は汗だくだし冬は激寒です。
空調完備のところでも夏は冷房で冷やしすぎて寒かったり、お花を入れてるキーパーを開くとヒヤ~と冷気が身体に…。キーパー近くにいても冷気があたるので身体が冷えます。
冷えで体を壊してしまい泣く泣く辞めていかれる人もいます。
●虫とよく遭遇するようになる
これも花を扱う仕事をしていると宿命です。
入荷してきた切り花や鉢花にアブラムシがついていたり、小さめの幼虫がついていたり。
気持ち悪いです。
入荷してきたカーネーションの束の包み紙を開けると中からカナブンがポトっと落ちてきたこともありました。
予測不可能な動きをする黒いアイツ(G様)が出現することもあります。(綺麗なお店では少ないと思いますが…)
虫に関しては徐々に耐性がついてきますが、虫嫌いの方は最初はきついかも…。
●汚い作業も多いので手が汚れる
マツ科の切花で松ヤニがついて手がべとべとになったり、腐ったドロドロの茎に触れてしまったり、土で手が汚れたりなども多いです。
特に夏場は水も茎も腐りやすく、鼻が曲がるようなニオイに遭遇することもたまにあり。
花屋バイトのメリットは沢山あった!
これまできつかったことやデメリットなどのマイナス面をあげてきましたが、デメリットを超えるメリットも沢山あります!
●やりがいが感じられる
お客さんから「綺麗に作ってくれてありがとう」や「この前のお花とても喜んでもらえたよ」など言って頂けることもあり、こちらとしてもとても嬉しくなります。
また母の日などの行事は忙しくて大変ですが、その反面終わった後は最後までやり切った感があって気分爽快!
「あー私頑張った!」という達成感を感じることができます。
花屋スタッフ全員が一丸となって成し遂げたというチーム結束力みたいなものも感じられるので、それもまた嬉しく楽しいものです。
●人の暖かさに触れる機会が沢山あって心が和む
小さいお子さんとお父さんが一緒に来店されてお母さんにプレゼントするお花を買いに来られたり、妻の誕生日に「この前店の前を通った時に妻がこの花が素敵だって言ってたからこの花を入れた花束を作ってほしいんです」などのオーダーを受けると、めちゃくちゃハートが温まりました。
●ロスになった花がもらえたりする
傷みが進んでしまい店で売れなくなった花をもらえることが多々…(笑)
花鉢や苗だと適切に育てればまた復活してくれるので、何個かもらって育てたり、家で飾ったりしていました。
●毎日沢山の花に出会える
これは花屋スタッフならではの醍醐味。
普通ではあまり見かけない珍しい種類のお花にも沢山出会えるので楽しいですよー!
●身に着けたお花の技術は一生もの!
最初は大変でも、プライベートシーンで誰かにプレゼントしたいときや、来客時にお家にお花を飾りたいときに、花束もアレンジメントも自分でチャチャっと作れるようになります。
毎日沢山のお花を見るので、新鮮なお花の見極め力も付きますし、お花の選び方や花の知識もかなり豊富になります。
これは今後も自分の武器になりますよね。
花屋で働くのは自分自身のスキルアップに繋がると思います
新しい世界へ飛び込んでいくのってすごく勇気がいります。
働くまでめちゃくちゃドキドキして、いろんな情報を見たり考えたりして怖気づいてしまいそうになります。というか私がそうでしたw
でも、「まあ人生一度きりだし、もし合わなかったら辞めればいいや!!」と思い切って働いてみた結果、お花の知識もついたし技術力も習得できたし、大好きなお花や植物に囲まれながら働けたのは本当に楽しかったので良かったなぁと今も感じています。
お客さんとして花屋に行くだけとか、お花のレッスンに通っているだけでは得られない知識が習得できるので花好きな人間にとって強みになると思います。
花は人生の節目で必要になることも多いですが(結婚式、お葬式、送別、卒業などなど)、花ギフトを用意しないといけない時も知識があれば困らないし、周囲の困っている人にもアドバイスもできますよね。
(お花は生活必需品ではないので花を買う習慣がない人は多く、いざ必要だとなると困る人って多いものなのです。)
花屋の仕事はデメリットもありますが、それに負けないくらいのメリットもあるし、自分自身に新たな知識&技術がつくのでスキルアップに繋がります。
悩んでおられる方は是非一歩踏み出してみることをおすすめします。
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日頃から求人サイトをチェックして、これだ!と思う花屋を見つける機会を増やしておきましょう。
花の需要が高まる5月の母の日などは人手不足になり短期募集をする花屋も多いので、短期募集を利用して一度試しにどんな感じなのか感覚を掴む為に短期募集の時に働いてみるのもアリです。
母の日は一番の繁忙期なので「こんなに忙しいのか…」と衝撃を受けるかもしれませんが、通常時とはかけ離れた期間というのを踏まえておきましょう。暇な時は本当に暇なので。
まとめ
私が花屋で働いてみて感じたきつかったこと、メリット&デメリットをあげてみました!
どんな仕事でも必ず大変な面はあるし、花屋も決して楽な仕事ではありませんが、花好きな方なら絶対に楽しめる職業だと私は感じています。
是非参考になれば幸いです^^
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